サノレックスとは
サノレックス(製品名マジンドール)とは、厚生労働省が正式に認可した医療用の食欲抑制剤です。医療の現場では、食事療法および運動療法の効果が不十分な高度肥満の人を痩せさせるために利用されています。
作用機序
人の食欲を左右するのは、脳内の視床下部にある食欲中枢(いわゆる満腹中枢)で、この中枢に作用して
1)空腹感を少なくし、少量で満腹感が得られることで食べる量を減らす。
2)消化吸収を抑える
3)体のブドウ糖の利用を促進する
4)熱産生を促進する
5)肥満時の代謝変動を改善する
ことなどで体重を減少させます。
適応
●ダイエットしたい方
●食欲を抑えたい方
服用方法
最初の1か月間は1日1回昼食前に服用していただきます。時に空腹時の服用で気分が悪くなることがありますが、その場合は昼食後に変更してください。また、夕方以後の服用は不眠の原因となりますので避けてください。
1カ月以上続けても効果のない場合は、1日2回1錠ずつ3カ月間の服用に変更しますが、それでも効果がみられない場合は中止となります。
処方できない方
1)緑内障を患っている方
2)重症の高血圧、膵・腎臓・肝臓等の障害のある方
3)薬物やアルコール乱用歴のある方
4)統合失調症
5)妊婦、授乳中の方
等には、処方できません。
副作用
重い副作用はほとんどありませんが、
1)口の渇き
2)吐き気
3)便秘
4)不眠
5)頭痛
6)動悸
などが見られます。このうち特に多いのが便秘ですが、対策は1日2L以上の水分補給が効果的です。「水を飲んでも体重が増える」といわれる方がおられますが、そのようなことはありません(おそらくカロリーのある飲料水を飲まれているのではないでしょうか)。また、不眠も見られますが、夕方以後の服用さえされなければ問題ありません。しかし、何らかの副作用が現れた場合は、服用を中止し担当医師に相談してください。
薬の依存性
サノレックスの薬理作用はアンフェタミン類という薬に似ています。アンフェタミン類とは、覚せい剤の成分で、以前より服用すると食欲が抑制されることが知られていました。サノレックスはアンフェタミン類の食欲抑制作用を参考にして考えられたものですが、その構造がアンフェタミン類とは異なるため、覚せい剤のような依存性は見られないとのことです。しかし、長期にわたり服用する薬ではないことは忘れないでください。
惑わされないでください!
「体重は簡単に減ってくる」「5~10kgのダイエットなら簡単」「ダイエットの苦しみはありません」「副作用の心配はほとんどありません」などの表現をインターネット上で見かけます。サノレックスを魔法の薬のように書いています。しかし、サノレックスは肥満症そのものを治せる薬ではなく、ましては「やせ薬」では全くありません。毎日の食事の摂取量を少なくするのを一時的に助けるだけです。
また、サノレックスを求める人に医療機関以外で通信販売や個人輸入を勧めているホームページがみられますが、副作用のことを考えるととても怖いことです。信頼のおける医療機関で担当医と相談の上の服用をされてください。